昨日つけた香水
朝 起きて匂ってもなんにも残っていなくて
昨日のことは全部
まぼろしだったのかもしれない
一瞬でも気を抜いたら
日常が灰色になってしまう
もう全部どうでもよくなって
日常が灰色になっていく
自分を忘れてしまったら情けない
本能が理性を食ってしまったらこわい
恥をかきたくないから
きみのことも忘れる
すぐ会えることを知っている
でもね、連絡しないよ
これからはひとりで日常に
色をつけなきゃ
愛している?
嘘、いらない
でも、好き
どうでもいいことは
もういい
きみをみつけたから
実家にかえると 蝉が鳴いていた
今年初めて 鳴き声をきいた
東京では鳴いていなかった気がする
こんなにうるさい朝は なんかすてきだ
駅前をふらつくと 見たことあるような
ないような 懐かしい顔とすれちがった
おじさんみたいな匂いの古本屋で
ずっと読みたかった小説を買った
正直なところ、
きみがわたしの自由を奪ったんだから
きみがどうにかしてほしい
正直なところ、
きみがわたしの自由を奪ったんだから
きみの自由も奪いたい
正直なところ、
こんな正直なことをきみに直接
言えるわけがない
布団から出て ゴミを出して
朝ごはんを食べて 出かけるよ
掃除もするし 洗濯もする
夜はちゃんと帰って眠るんだ
きみがいなくても 生活をする
きみがいない 生活をおくる
ばかみたいだよ
泣いてしまうよ