どんなに遠くの街でも
会えるかもしれないと
君を探すこともしなくなったよ
今僕が縫い走る砂利道の両側に
消えそうな程に香る
くちなしを 教えたいなんて
僕が君のことを
時々思い出すのは
取り戻したいんじゃなく
ただ懐かしいだけ
そう言う僕に
少しガッカリして欲しいけど
「今は幸せ」と
笑う君の方がいい
引っ越しのアルバイト
昼休みの時間に
小さな子が嬉しげに話してきた
君と別れた夜から
どれくらいたったのだろう
でもあの日から少しは
優しそうに見えるみたいだよ
泣いた日笑った日
無駄にしないよきっと
どんなに悲しすぎても
こうして生きているから
電話番号も
今は浮かばなくなったけど
「こんなもんだよ」と
笑う僕がここにいる
そう言う僕に
少しガッカリして欲しいけど
「今は幸せ」と
笑う君の方がいい