蓋したくせにまた思い出しては
本当は大げさだなんて分かっていた
こんな少しの雨くらいで
芽を出せずに怯えていた
笑ったら熱が出るのが癖になって
だけど水道水じゃ生きていけないから
真っ白な夜に
飛び出した
もう雨はとっくに止んでいた
ワイパーが乾いたガラスをこする音がした
全部透明になっていた。
レンタルした音も最後の映画も
ひとつも当てはまら無いまま終わった
勇敢な戦士までもが
私を助けてくれなかった
置いてゆかないで
どこにも行かないで
ちゃんと息をして
ここに居るわ
もう雨はとっくに止んでいた
スナイパーが乾いた私を撃つ音がした
全部覚えていておくれ