たとえたとえ
張り裂けるほどの声が風に流れても
いつかここから君に届けと
何度でもエールを
楽なことばかり選んで
上手くやれてた日々は
人目につかずに
あたためた椅子で
ぼんやり夢を見た
君の人知れない日々は
私のそれとは違って
燻り宿した素振りが
心の陰をかるく掠めた
たとえたとえ
張り裂けるほどの声が風に流れても
いつかここから君に届けと今を叫ぶよ
ふわり道に迷える綿毛のように
その身を任せて
僅かだけでも君に届けと
最後までエールを
辛いこと全部投げ出して
指先を離れても
君を見かけると
君が知らぬ間に
打ち返されていた
踊るひとひらの便りが
胸のポケットに沈んだ
散りゆく時は美しく
心を捉えて
君ならば叶うよと
思い切り言い切りたいけど
君ならばあたう限り
やりのける筈だから
これは例えばの話
二人きりで君と会って
私から言えることは
「ありがとう」だけだ
なのに
離れた場所で眺めていると
「ファイト」って溢(こぼ)れた
僅かだけでも君に届けと
強く溢(こぼ)すよ
まるでまるで
自分のことのようであって
自分以上のことだな
そんな君に貰えた気持ちを君に向けるよ
たとえたとえ
張り裂けるほどの声が風に消されても
どれもこれもが届いていなくても
本物のエールを
心からエールを