行ってしまった・・・・・・
書きかけの原稿を 投げつけるほど
女の一途は うるさいですか・・・
愛することは 燃えること
食卓を転げ落ちて ひび割れた
薩摩切子の紅玉の色に・・・
あなたの心が 桜なら
ちらりほらり 誰にでも 散ればいい
千すじの 黒髪が
夜道を追いかけ 夜叉になり
褥を邪魔する 幻惑を見る
あなたは私の ものだから
二三日すればまた 悪びれもせず
猫なで声させ 帰れる人よ・・・
愛することは 許すこと
へ理屈も癇に障る おまえだと
銀の洋杖 ぶったらいいわ・・・
あなたを選んだ 罰なのか
泣いてみても 様になる 年じゃない
千すじの 黒髪の
一すじ 一すじ くちづけて
詠えば今夜も 耐えられる
あなたの気配の ない家も
千すじの 黒髪は
紅蓮に身悶え 待つでしょう
不甲斐がなくても 仕方ない
あなたが宿命の 男なら