君の温度が恋しくて
窓辺の隅探している
欠けた月の帳じゃ
僕の心は灯せない
春の報せまた一つ
雪解けの水がながる
僕だけが動けず
華は咲いて東風来たる
誰が奏でているのだろう
幼き頃を見つめても
君の声が聞こえなくて
どんなに待ち侘びても風の音
楓の葉が揺らすのだろう
何がためだったのだろう
琵琶のしらべでありし日を
うら行っても もう
夢は後先に
杯の雫だけじゃ
此度味は追われない
伸びた蝋燭の炎を
寂しさにまた火が付く
誰が奏でているのだろう
蔦絡まる垣根の向こう
君の手を引いて歩いた
いつのまにまに時は過ぎ行けど
楓の葉無しひてただろう
色褪せ行く思い出事
琵琶のしらべでありし日を
うら行っても もう
夢は後先
君にも届け
あの「東風破」
僕の心に有る「東風破」
扉開けばまだ其処に
君が居るような将又彼方
君にも届け
あの「東風破」
僕の心に有る「東風破」
琵琶のしらべでありし日を
うら行っても もう
夢は後先に