「初めまして。僕は『貴方』をお守りする様
雇われた精です。
怖がらないで。『貴方』が最近
笑えなくなってきたっていうから来たよ。」
「灯りを点けるよ」
キミに笑って欲しいが為に。
その光が亡くなってしまう時
それは僕が消える時だ
「火を灯すよ」
キミが陰に覆われぬ様に。
街が光った様に見えた
綺麗に光った様だった
綺麗に光った街でキミだけは
笑いはしなかった。
何を試しても 僕は「貴方」を
笑顔にする事は出来なくて
悲しまないで。何もそんなに
独りで苦しまなくてもいいじゃないか
灯りは弱まる一方で
別れも近づく存在です
この光が亡くなってしまう時
それはキミとのバイバイだ
「云える事は言っておこう
キミの耳に届くうちに」
何故か俯いた様に見えたよ
アレが光った様だった
何かが動いた様だったんだ
嗚呼 もうバイバイだ。
揺らいだ火が消えるのはもう其処
僕には時間が無い様だ
心の雨が上がるのももう其処
この世には勿体の無いことだ
灯りが消えるその時に
「貴方」が泣いたんだ
僕が笑った様に
「貴方」は泣いて笑った様だった
嗚呼良かったこれで
安らかに消えれる
火の灯りが僕の命なんだ
さよなら 元気でね、バイバイ
灯火は静かに息を絶えたが
キミに灯った様だった
キミが笑った様だった。