暖簾(のれん)くぐれば 振(ふ)りむきざまに
すねた振(ふ)りする あいつがよぎる
行末(すえ)は女房と 決(き)めていた
男ごころを 置(お)き去(ざ)りに
なんで散らした あゝ…命花(いのちばな)
どこか空似(そらに)の 女(おんな)が唄(うた)う
あいつ十八番(おはこ)の 倖せ演歌
おんな心の 裏おもて
読めず終(じま)いの このバカを
酒よ泣(な)かすな あゝ…くやみ酒
せめて一輪(いちりん) 手向(たむ)けの酒に
添えてせつない 侘(わ)び助(すけ)椿(つばき)
あいつ居た春 居ない冬
心キリキリ 風酒場(かぜさかば)
酒だ!酒だよ! あゝ…男哭酒(おなきざけ)