「また会ってください」
その一言が言えない
あなたに負担をかけてしまいそうな気がして…
夕暮れの緩い坂道を歩く
木漏れ日がなぜか切なく感じた
初めての恋は
眼差しもぎこちなく
時間(とき)が急ぎ足で
あっという間に通り過ぎてく
「また会ってください」
そっと心がつぶやく
あなたの背中を斜め後ろからついて行く
思い出はできたけど
伝えきれない事ばかり
もう少し 近くで話せたら
幸せだったのに…
寂しさの風が木々たちを揺らし
蜩(ひぐらし)が名残惜しそうに鳴いた
憧れの影は
すぐそばを歩くのに
距離が縮まらない
恋の歩幅はもどかしいもの
「また会ってください」
勇気を出して言いたい
何度もあなたに声を掛けようとしたけれど
もう家が見えて来て
微笑みながら立ち止まる
「じゃあね」ってあなたから言われたら
黙って頷くだけ
「今度はいつ会える?」
あなたの声が聞こえた
通りの向こうで私に向かって叫んでる
そう一度はあきらめた
次のチャンスが嬉しくて
「いつでも」って微笑んで答えたら
あなたがピースした