結局忘れられなかった
香りを買いに渋谷へ
簡単に自分の香りを
捨ててしまうような女です
普段はあまり行かないような
お店に入るのもいいね
この香りにたどり着くまでに
本当に色々あったな
馬鹿だって分かってる
懲りてないよな
まだだって 捨てきれない
思い出があるよな
もう一度 もう一度
あの日に戻ってやり直したいな
そしてこの香りとは
結びつきたくなかった
結局忘れられなかった
香りを抱いて家に帰る
こんなに小さな袋の中に
2 年前の私がいます
ハサミで封を切る
溢れないように
ひとつ残らず受け止める
自分のために
ひとつずつ ひとつずつ
蘇る思い出がフワリ落ちてゆく
そうだった そうでした
こんなにも好きだったなぁ
涙は出ないけど
あからさまに揺れる胸の中
傷ついたくせに
あの日傷ついたくせに
もう一度 もう一度
あの日に戻ってやり直したいな
そしてこの香りとは
結びつきたくなかった
結局忘れられなかった
香りの中で今日も眠る