路傍の露草 朝水溜めて
藍色緋色に光が揺れる
明け方 夢に 寂しく笑う
君の睫毛に 水珠ひとつ
距離を越え 届く耳元 弾む声
間に間に 聞える 吐息が…揺れた
彼方に霞む 西空仰ぎ 元気でいてと 囁いた
足下見つめ 鞄を振った 元気でいると 呟いた
しゃがんで 唇花に寄せ
ふっと息吹に 水珠 落ちた
指先触れる カタバミの莢
音も立てずに 破れて跳んだ
見送る君に 一言「好き」と
はにかむ笑顔に 過ぎし日重なる
時を越え 遊ぶ夕暮れ 蝉の声
花火の 約束 路地裏…消えた
逢えない日に 面影探す 忘れるわけない 確かめる
四角い窓に 震える指で さよなら綴り すぐ消した
弾けてひしゃげた 莢ひとつ
溢れる 想いが 四方に散った