此の扉(ドアー)なら破れない
其の塔なら崩れない
彼(あ)の天なら潰れない
何(ど)れも嘘らしく馨つてゐます
喩へ蒔いても育つても仙人草(クレマチス)
咲いても強く色付かうとも
瞬時に黙つて堕ちて逝きます
如何して? 何故 哀しくなつたの
現実の夢
此の肺なら破れない
其の顔なら崩れない
彼(あ)の天なら限りない
何(ど)れも赤色に匂つてゐます
斯くて哭(な)いては惑つては生(な)りませぬ
立つたら強く進まなくては
やつとで呼吸に成つて来ました
如何して? 何故 魘(うな)されてゐるの
現実が夢
今日からは生えても芽吹いても仙人草(クレマチス)
咲いても悦び過ぎないから
大事な生命(いのち) 壱ツだけ だうか持つて行かれませぬ様に
哭(な)いたり惑つたり致しませぬ 立つたら弐度と倒れないから
何も要らない 壱ツだけ だうか 誰か 嗚呼
エントリー番号壱(ナンバーワン)