夕映えにそっと懐えば
古里遠い二親の顔
父上母上よ会いたい
月並な価値ほどもっと
幾らでも分かち合えて嬉しかったろう
きょうは偲んでいます誰そ彼秋
雲が捷い擽ったい
皆が皆等しく満ち足りた場合に
やっと心身が寛ぎ幸せを知る
絶世の価値ほどもっと
独り占めした途端こう虚しかったろう
きょうは祝っています海よ山よ
命はどうせ美しい
噫澄んでいます真冬は朝
空が大きい柔らかいあの移ろいも
この恥じらいも涙に替えて
全部背負い込んで熟そう
仕様がないとは決して考えないし
不要不急と言う概念もない
万事便利なだけじゃ勿体ないし
風情を重んじたい許して給も
きょうは恋しています彼は誰春
命がずっと透明に
冴えていきます真夏は夜
いまが眩しい焦れったい