千鳥足で煙草をポイした 憂う背中を見てきて
自分はこうならないようにと口を尖らせた
あの頃の僕が今こうして 目を疑うような
無様な僕を見たならどう思うかなぁ
一生続くと何となく思ってた 夏休みの終わりどき
僕が宿題何も終わらせちゃいないから
君が答えを見せてくれては ひっそりと言った
「けれど十年後はこんな事ごめんだぜ」
明日は何しようって談笑した例の高架下さえも
積み上げられたコーンと建設中のプレートに遮られた
僕らは大人になってゆくんだね
僕らは大人になってゆくんだね
笑い合った日々を夜中に 一人思い出したりして
すすり泣く僕に なるんだね
ろくでもなかったアイツが今では 医者になると言い出して
かなり名の知れてるキャンパスに通ってる
あの頃のままでいれたのなら そう思っていたのは
昔から鈍間な僕だけみたいだなぁ
「8月末も同じ場所で来年も」って声も
都市開発を扮した高層ビルの響めきに掻き消された
僕らは大人になってゆくんだね
僕らは大人になってゆくんだね
煤けた思い出の悔しさに 怯える僕らのままでは
ここに居場所など ないんだね
空きになった友の一軒家 改装中のゲーセン
土砂降りで雨天中止の夏祭り
亡くなった知人の一周忌 卒業後の廃校舎
まるで今まで嘘のようだった
僕らは大人になってゆくんだね
僕らは大人になってゆくんだね
不安や苦悩とかいう名前の 化け物がやってきて
逃げたくなるような 消えてしまいたい日もある
それでも大人になってゆくんだね
それでも大人になってゆくんだね
未来へと飛び立つフライトに 別々のチケットを手にした
ここらでさよなら みたいだね
お別れの前に一つだけ わがままを聞いて
「僕らがここに居たことを 忘れないでね」