変わりたいと思っていた 片生いの晴嵐だった
白南風を追い越すくらいの夏に加速した
明日を目掛け発射した
ちゃちな僕等を乗せた青春は
今 どこらへんを漂っているんだろう
涼しげな花が咲いて 同じだけ夢を知った
不確かでいい その引力に飛び込め
あの日の僕らは あの日の僕らは
宝の地図さえ 要らないと思っていた
心臓を描いて その音を聞いた
唯一の 財宝が そこにあったんだ
それなら僕らは それなら僕らは
どうして今日という 軌道を描けなかったんだ
未完成な高度 不完全なスピード
炎天の 重力に 青春の声は立ち消えた
消えた
今はもう
変われないと知っている 群像劇は終わった
空蝉のようにがらんどうな毎日だ
まるで蜃気楼だった 夏の続きを乗せた青春は
今 どこらへんを漂っているんだろう
向日葵みたいにずっと 日が沈むのを見ていた
さも嘗ての 有様を見るようだ
あの日の僕らは あの日の僕らは
終わりはここじゃないんだと思っていた
心臓を燃やして ひたすらに飛んで
目にした 光景は 確かに綺麗だった
それでも僕らは それでも僕らは
あれほど愛した 世界を描けなかったんだ
優柔不断な弾道 表面上の最期
そうやって いつだって 逃避していたんだった
あの日の僕らは あの日の僕らは
この火が晩夏に
途絶えるだなんて思っちゃいなかった
硬直したプライド 操縦不能のパイロット
終幕に 散っていく 線香花火のように
炎天の 重力に 青春の声は立ち消えた
消えた